今日ご紹介する季節の花は スプレーマム。
この季節には欠かせない、美しく頼もしい存在です。
「マム」とは菊のこと。
「スプレー」とは枝分かれを意味し、つまりスプレーマムとは「枝分かれした菊」を指します。
1本の茎からいくつも花を咲かせる姿はとても華やかで、
花束やアレンジに欠かせない花材です。
.
菊といえば「仏花」のイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、
近年は花の形や色合いがぐんと増え、可愛らしい丸いポンポン咲きや、
洋花のように洗練された品種も多く出回っています。
特に秋は一年の中でも種類が豊富で、美しく咲く旬の時期。
花屋の店頭でも多彩な表情を見せてくれます。
.
日本で最初にスプレーマムを導入したのは愛知県。
ここでは 電照栽培 という技術を使って、年間を通じて安定した出荷を可能にしました。
菊は「日照時間が短くなると花芽をつける」という性質を持っており、
これを利用して人工的に光を当てることで花芽の形成をコントロール。
開花時期を調整することで、一年中出荷できる仕組みを作り出したのです。
現在も愛知は全国一の出荷量を誇り、日本の花文化を支えています。
*スプレーマムを長く楽しむコツ
スプレーマムは本来とても日持ちの良い花ですが、ちょっとした工夫でさらに長く楽しめます。
茎はハサミで切るよりも 手でパキッと折る のがおすすめ。
切り口がギザギザになり、水を吸い上げやすくなります。
花瓶に生ける際は、水に浸かる葉は取り除いて下さい。
葉が水に触れると水に雑菌が入りやすく、花全体の寿命を縮めてしまいます。
毎日1回、水を替えるのが理想です。市販の延命剤を使えば、さらに長持ちしますよ。
季節を代表する花でありながら、丈夫で扱いやすく、
暮らしの中に取り入れやすいスプレーマム。
かわいい花もたくさん出荷されていますので、
秋の気配をお部屋に取り込むのにぴったりの一花です。
