すっかり秋らしくなり、街の木々も少しずつ色づいてきましたね。
お店にも、この季節ならではの“紅葉もの”がいろいろと入荷しています。
一口に「紅葉」といっても、実は3つのタイプがあるのをご存じですか?
今日は、花屋で出会える紅葉の種類をご紹介します。
① 自然の紅葉
まずは本来の秋の紅葉。
気温が下がり、落葉の前に自然と色づいた枝ものです。
お店では「紅葉ヒペリカム」「紅葉木苺」「紅葉ドウダンツツジ」などが代表的。
自然がつくり出す赤やオレンジのグラデーションは、やはり格別です。
花瓶に活けるだけで、お部屋に秋の空気がふわりと広がります。

*紅葉ヒペリカム
② 染めの紅葉
次にご紹介するのは、色を吹き付けたり、染料を吸い上げさせたりして作る「染めの紅葉」。
代表的なのは「染め雪柳」「染めファガス(ナラの枝)」「染めアイビー」などです。
たとえば雪柳は、まだ青々とした枝に紅葉したような塗料をふんわり吹き付けて、
自然な色合いに染め上げます。言われなければわからないほどナチュラル。
そしてイタリアから輸入されるプリザーブドのファガスは、
手触りもしなやかで、生の葉のような質感が魅力です。
赤や茶、黄色に染められ、長く美しさを保てるのが嬉しいところ。

*染め雪柳

*ファガス
③ もともと赤い葉の枝もの
最後は、もともと葉の色が赤や黒っぽい枝もの。
「紅スモモ」「西洋コデマリ」「赤葉センニチコウ」などがこの仲間です。
一年中赤い葉色をしていますが、秋の花色――オレンジやブラウン系――との相性がよく、
この時期になると市場への出荷が増えてきます。
シックで落ち着いた秋のアレンジにぴったりです。

*アカシア・プルプレア

*「西洋コデマリ」
.

*紅すもも
紅葉とひと口に言っても、
自然が作るもの、染めて仕上げるもの、もともと色づいているもの――
花屋にはさまざまな“秋の顔”が並んでいます。
今しか出会えない紅葉ものは、だいたい11月いっぱいまで。
ぜひこの季節、お花屋さんをのぞいてみてくださいね。
きっと新しい発見と、小さな秋を見つけられると思います🍂
