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冬の花は“持ち”がいいという事実
冬になると、花がよく持つようになります。
花屋としては当たり前のことなのですが、
改めて思うと、これは冬からのささやかな贈り物のようにも感じます。
気温が低いというだけで、花はゆっくりと時間を使うようになります。
夏のように一気に開いて、終わることはありません。
一日一日、少しずつ花は表情を変えながら、静かに咲き続けてくれます。
ただし、冬ならではの注意点もあります。
それが「暖房」。
人にとって快適な暖かさは、花にとっては少し過酷な環境です。
エアコンの風が直接当たる場所、床暖房の真上、テレビの横。
そんな場所に置かれた花は、知らないうちに喉が渇いてしまいます。
おすすめは、
・暖房の風が直接当たらない場所
・夜は少し冷えるくらいの部屋
・人が行き来する、でも主役になりすぎない場所
玄関や廊下、ダイニングの端などは、意外と花にとって居心地のいい場所です。
水替えも、冬は神経質になりすぎなくて大丈夫。
むしろ「冷たい水をきれいにしてあげる」ことの方が大切です。
花瓶を洗って、新しい水に替える。
その小さなひと手間が、冬の花にはよく効きます。
寒い季節は、何もかもが急がなくていい。
花も、人も、少しゆっくりでいい。
そんなことを、冬の花は教えてくれている気がします。
春の花も少しずつお目見えするようになりました。
この時期こそ、
花を「長く楽しむ」という贅沢を味わってみてはいかがでしょうか。
