ふだん花屋はどんな仕事をしているの?
疑問に思う方や何をしているのか
よくわからないわと思う方もいらっしゃると思います。
通常、自分の仕事以外はどんなふうにほかの業界の方が
仕事されているかはわかりにくいですよね。
今日は花屋の裏側を少しご紹介いたします。
花屋の仕事と言ってもいろいろありますが、まずは仕入れ。
ここの部分はどんな花屋さんでも必要な部分です。
仕入れと一口に言っても方法がいくつかあります。
主に以下の3つが仕入れる経由となります。
・花き市場
・仲卸(なかおろし)
・ネット販売
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*花き市場
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花き市場は花の流通拠点として生産者の花を国内外から集めて卸売り販売します。
箱単位での販売となるため、ロット数が多くなりますが、
仕入れ価格は仲卸等で購入するより安くなることがほとんどです。
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*仲卸
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花き市場の敷地内には、仲卸と呼ばれる販売業者の会社があります。
数は市場の規模によりますが、日本で一番規模の大きい大田市場では
18社の仲卸業者があります。
仲卸業者は、卸売業者(市場とよばれている花き市場のこと)から買った品物を、
市場内にある仲卸店舗で、売買参加者及び買出人に向けて販売しています。
卸売会社から購入した花を小分けにして販売しているので、
多品種・小ロットで購入することが可能ですが、販売価格は花き市場で
直接購入するより割高となります。
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*ネット販売
ネット販売をしている業者もあります。
多くは仲卸の子会社だったり、大手の花屋が別会社を設立して
販売をしたりしています。配送してもらうこともできます。
価格は仲卸で購入するよりさらに割高となることが多いですが、
市場に行かずとも購入できるので、時短になるメリットもあります。
ただ直接商品を見ることが出来ないので、
思っていたものと違ったということも起こりがちです。
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*仕入れ方法
花き市場の場合
花屋が花き市場から花を仕入れる場合、
市場から買参権(ばいさんけん)と呼ばれる「売買参加権」を得る必要があります。
買参権を得るためにはいくつかの条件があり、市場によって条件も異なりますが、
始めたばかりの花屋が買参権を得るのは難しい場合もあり、ある程度実績が出来てから
権利を得ることが出来る場合もあります。
そして市場から仕入れる方法は以下の5つ。
・ 注文取引
・ 相対取引
・ 競り
・ 予約相対
・ 定期購入
・ 注文取引
注文取引とは、花屋が必要な花を事前に花市場に予約注文して仕入れる方法です。
生産者さんが予約注文した花を出荷する形なので、
かなりの確率で手に入れることができます。
また入荷が困難な場合は市場の方で代替品の提案をしてもらえたりするので、
花を確実に確保するためには有効な方法です。
ただ生産者さんの方が価格を設定するので仕入れ価格は上がりやすいです。
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・ 相対取引
相対取引とは、生産者が花市場に出荷済みの
商品の中から注文して仕入れする方法です。
生産者から出荷情報を受けた市場では競りが行われる前に
市場のホームページ上で公開して買参人から注文を受け付けます。
・競り
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競りとは、花市場で商品を直接、競り落とす仕入れ方法です。
最近の花市場では機械ゼリとなっており、価格が徐々に下がる
競り下がり方式です。
こちらも買参人だけが参加でき、セリ落としたいタイミングで
ボタンを押して入札するシステムになっています。
ただ、購入ボタンを押せばだれでも購入できるわけではありません。
購入数にも限りがありますので、早く押した人から購入できます。
私の経験から感じるのは購入できる確率は50%程度。
必ずほしい花がセリ落とせるわけではありません。、
・ 予約相対
予約相対とは、必要な花を事前に予約しておき、
予約時点で花市場が設定している価格で仕入れる方法です。
イベントなどどうしてもこの花が必要というときはよく利用されます。
・ 定期購入
定期購入は、決まった花を決まった数量一定期間仕入れる方法です。
花市場を通して生産者と定期契約することで、安定した仕入れができます。
確実に必要な花がわかっている場合、定期購入ですので、
相場の影響が少なく安定価格で購入ができます。
ただし、ロスが発生する場合も考えられますので、
大手の花屋さんなど規模の大きい花屋では利用している方法です。
*仲卸やインターネット利用でも仕入れられます。
ロット数が少なく仕入れれらる、
仲卸ではほしい花を事前に注文できる、
市場まで朝早く行かなくても良い、
時短仕入れができる、
などメリットもたくさんありますが、
価格が割高となる、
ネット販売だと今日入荷する品物を直接確認できない、
などデメリットもあります。
販路がたくさんあると良いのと同じで、
仕入れ方法も複数あると思うような仕入れに近づけられます。
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花屋の店頭に花が並ぶまでは裏側にたくさんの工程と
花屋それぞれのポリシーがあります。
また花もちなど花屋も仕入れて初めてわかることもありますので、
経験と勉強と知識の積み重ねが必要です。
花は青果に比べると種類がグッと増えます。
花屋それぞれの独自色が出しやすい仕事でもあります。
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花を購入するみなさんがそれぞれの花屋の特色を
感じてお気に入りの花屋、
用途に沿った花屋選びをすると良いと思います。
今の花屋は洋服のセレクトショップと同じ。
花屋の仕入れにある思いとこだわりも感じていただけると嬉しいです。
今日は花屋の仕事、仕入れについてお話してみました。