お花屋さんの仕事は、花そのものだけでなく、道具との二人三脚でもあります。
今日は、普段お客様の目に触れない“相棒たち”を少しご紹介したいと思います。

■ 花ばさみ

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まずはこれがないと始まりません。
私が使っているのは、刃が短くて厚みのあるフローリスト用のはさみ。
市販のもので特に珍しいというわけではありませんが、
刃の根元にワイヤーも切れるような工夫がされているところがお気に入りポイント。
花や枝だけでなく、ワイヤーを施したものをカットする機会も
多いので、便利です。

 

そして太い枝には枝切用のはさみを使っています。
同じ形でもメーカーによって切れ味や手のなじみ方が違うので、
気に入った一本が見つかるまでにいくつか試しました。
今使っているのは知り合いのフローリストおススメの枝切りばさみ。
少々値は張りましたが、よく切れるので、ストレスがないです。

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■ フローリストナイフ

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ブーケを束ねるときや、水に挿す前に茎を斜めにカットするときに活躍します。
特にバラのように繊維質のしっかりした茎は、
はさみよりナイフで切ったほうが水揚げがよく、花もちも変わってくるのです。

最初ははさみよりハードルが高いですが、使えるようになるととても便利です。

■ フローラルテープとワイヤー

アレンジやコサージュ、小さなリースを作るときに欠かせないのがこの2つ。
ワイヤーは花や葉をしっかり固定するために使い、フローラルテープで巻いて仕上げます。
テープは見た目以上に伸びがよく、巻くと粘着性が出て花材をぴったりと固定してくれるのです。

色も緑や茶色など、花材になじむものを選んで使います。

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■ ミストスプレー

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霧吹きも花屋には欠かせない道具の一つです。
特に観葉植物などには「葉水」は欠かせません。
葉の表面を湿らせて乾燥を防いだり、葉についた
ほこりや汚れも落としてくれます。
店舗で使用しているミストスプレーは高性能ノズルでパウダーミストを
噴出するすぐれもの。
1,2回押すと約1.2秒の連続ミストが出て、2,3回押すと継続して連続ミストが出ます。

 

■ お気に入りの小道具たち

ほかにも水揚げ促進剤・延命剤や花用バケツ、ワイヤーカッター、吸水性スポンジ用のナイフ…。
どれも地味ですが、長年の相棒です。

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私がひそかに大切にしているのは、
もう20年以上使っている皮製の花ばさみのケース。
一代目はダメになり、今のはさみケースは二代目。
革なので、段々と風合いが良くなってきています。
このケースを見ると「今日も花の仕事を頑張ろう」という気持ちになります。

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花屋の仕事は華やかに見えますが、
その裏にはこうした道具との長いお付き合いがあります。
どれも“ただの道具”ではなく、手に取るたびに花を扱う楽しさや、
時には緊張感を思い出させてくれる存在です。

次にお店にいらしたとき、レジ横や作業台にあるはさみやナイフを見かけたら、

「あ、これが花を美しく見せてくれる秘密兵器なんだな」

と思っていただけたら嬉しいです。

 

 

 

 

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