昨日はしゃくやくを1輪、家に連れて帰りました。
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いろいろな花が咲きそろうこの季節。
でも、しゃくやくと出会植えるのは1~2か月。
今だけの美しい花です。
連れて帰ったのは「氷点」という名前の真っ白なしゃくやく。
その名の通り、凛としたたたずまいと、
透きとおるような美しさを持った花です。
花屋を続けてきて一番嬉しいのは、
お客さまやレッスンに通ってくれる生徒さんと、
同じ花を見て「きれいですね」と笑い合えること。
言葉にしなくても、花を通して「気持ち」を分かち合える――
そんな瞬間に感謝しています。
花屋を始めて長い年月が過ぎましたが、
毎日、誰かと花のある時間をともにできたことが、
どれだけ幸せなことか、年を重ねるほどに感じます。
しゃくやくに限らず、季節の花は本当にたくさんあります。
でも、「今日はこの子だな」と目が合う花は、
いつもその日、その瞬間だけの出会いです。
疲れていたり、ちょっと心がざわざわしていたり、
嬉しかったり、楽しかったり、――
真っ白なしゃくやく「氷点」は、
静かでやさしい時間を、私に与えてくれました。
誰のためでもなく、今日の自分のために花を飾る。
それはとてもささやかだけれど、心を満たしてくれる時間です。
今日もあなたに、小さな花のご褒美がありますように。