.
昨日の定休日は、恒例の店内での写真撮影を行いました。
今回は、今がまさに旬の花――
しゃくやく、スモークツリー、そして小ぶりで愛らしいサイズのひまわりを使って、
季節のアレンジメントを作りました。
どの花もこの時期にしか出会えない、短い「旬」を持つ花たち。
手に取り、活けて、そしてしばらくのあいだ一緒に過ごせることは、
私にとって小さな奇跡のような贅沢です。
花からもらえるエネルギーに背中を押されて、また一週間が気持ちよく始まりました。
今回のアレンジメントにも入れた「しゃくやく」。
.
その姿を見るたびに、私が花の仕事を始めたばかりの頃の記憶がよみがえります。
最初に働かせていただいた麹町の花屋さん――
国立劇場の近くにあったそのお店では、舞台に出演する鳴物(なりもの)の方々に
楽屋花をお届けしていました。
この時期になると、よくご注文をいただいたのが芍薬の花束。
でも、当時のお届けの花はまだ蕾がかたく、咲いた姿を見ることはほとんどありませんでした。
正直、「どうしてこの花がこんなに人気なんだろう…」と、
少し不思議に思っていたくらいです。
そんなある日、たまたま店に残っていた芍薬が咲きはじめたのを見たとき――
その美しさに、心を動かされました。
1枚、1枚の繊細な花びらが幾重にも重なり、
蕾からは想像もできなかったほど華やかで気品に満ちた姿。
あのときの驚きと感動は、今でもはっきりと覚えています。
この季節だけの贈り物。
.
もしお花を飾るならこの季節、芍薬を一輪、迎えてみてはいかがでしょうか。
毎日、ほんの少しずつ花開いていくその姿に、
きっと皆さんも感動するはずです。