秋の花市場には、この季節ならではの“南半球の風”が吹きはじめます。
それが、リューカデンドロンやワックスフラワーといったワイルドフラワーたち。
オーストラリアや南アフリカから、ちょうど今の時期にたくさん届きます。
華やかさというよりは、どこか控えめで自然体。
けれど、よく見ると花や葉の形、色の重なりに独特の美しさがあります。
.
.
リューカデンドロンはドライになっても色が褪せにくく、
時間とともに少しずつ深みを増していく姿が魅力です。
赤みがかった葉先やグリーンからブラウンに変化する色合いは、
まるで秋の移ろいそのもののようです。
そして、ワックスフラワー。
.
小さな花が枝いっぱいに咲く姿は、繊細で可憐。
ほんのり柑橘のような香りがあり、花瓶に数本飾るだけでも空気がすっきりします。
アレンジメントやブーケの“つなぎ役”としても重宝しますし、
どこか乾いた雰囲気がある花でもあります。
南半球の春は、ちょうど日本の秋。
遠い国から届いた花が、季節の境目にやってきて
私たちの秋の花時間をさりげなく彩ってくれる。
そんな背景を思いながら花を選ぶと、
少しだけ世界が広く見える気がします。
今年の秋は、ぜひ店頭で
リューカデンドロンやワックスフラワーの素朴な美しさを感じてみてください。
この季節ならではの“南半球の秋の贈り物”です。