デザインを考える「プロセス」について
〜アレンジメントをより美しく仕上げるために〜
昨日は、今年後半のレッスンについてあれこれと考えているお話をしました。
今日はその続きとして、私が日頃から大切にしている
「デザインを考えるプロセス」について、皆さんと少し共有したいと思います。
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といっても、「デザイン」と一口に言ってもとても幅が広いですよね。
今回は、フラワーアレンジメントを作るうえでの“デザインの考え方に絞ってお話しします。
デザインを考える3つの入り口
私の場合、デザインを考える時は、主に以下の3つの視点からスタートします。
*器から考える
*花から考える
*活け方から考える
それぞれ、少し具体的にご紹介していきますね。
① 器から考える
器は、アレンジメントの「土台」であり、「雰囲気をつくるパートナー」でもあります。
たとえば、
高さはあるのか?低いのか?
ナチュラルな素材か?モダンでシンプルか?
飾るのは食卓?玄関?イベント会場?
などを丁寧に見ていくと、器そのものがデザインのヒントをくれることがよくあります。
器に合わせて、花の高さを出すべきか、横に広げるのか。
花の色や質感も、器との相性を意識することで、より洗練された世界観が生まれます。
② 花から考える
季節感はもちろんですが、花の持つ「キャラクター」も大切な要素です。
上品で気品のある花
素朴でナチュラルな花
明るく親しみやすい花
また、色合わせもとても大切。
私は同系色でまとめたシックな配色が好きですが、
たとえば「濃いピンク × 深い紫」など、
コントラストの効いた配色もエレガントで魅力的だと思っています。
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花は「色・形・質感」の組み合わせで、全体の印象がガラッと変わります。
主役となる花材に、動きを出す枝物や軽やかなグリーンを添えていくと、
自然で奥行きのあるデザインになります。
③ 活け方から考える
最後は「活け方」そのものから考える場合。
これは、飾る場所や目的が先に決まっている場合に多いです。
たとえば、結婚式の教会装花や店舗ディスプレイなど。
「どこから見られるか」
「どれくらいのサイズ感が必要か」
「設置できるスペースはどのくらいか」
など、条件をクリアしながら最大限美しく見せる方法を探っていきます。
このような時は、吸水性スポンジを使うのか、花瓶に活けるのか、
花の向きや高さなどを最初にしっかりイメージしておくことが重要です。
デザインは、花と向き合う時間そのものです。
このように、「器」「花」「活け方」それぞれからスタートして、
徐々に形になっていくのが、フラワーデザインの面白さでもあります。
レッスンでもよくお話しするのですが、
「このお花、どう活かそうかな?」
と考える時間そのものが、実はとても豊かな時間なんですよね。
今回ご紹介したプロセスが、みなさんがデザインを考えるときのヒントやきっかけになったらうれしいです。
これからのレッスンでも、
「なぜこの花を使うのか?」
「どうしてこの形なのか?」
というデザインの裏側についても、少しずつお伝えしていけたらと思っています。
ぜひ、あなたの「花の目線」でのデザインも楽しんでみてくださいね。