この花を見ると亡くなった父のことを思い出す。
4月なのにまだ寒さが続いていた2011年4月。
あれから12年。
忘れもしない東日本大震災があった年。
ちょうど震災があった日、私は実家のある岡山の病院に入院している
父のお見舞いで岡山にいました。
岡山にいても地震でかなり揺れて、
「地震だね。結構大きいね。」
と父に話しかけたことを思い出します。
当日新幹線で神奈川県に戻ろうと思って新幹線のチケットもとっていましたが、
岡山駅に着くと長い列が駅の案内所のところに出来て新幹線は止まっていました。
その時はあんなに大きな地震で被害が広範囲に及んでいると知らなかった
のですが、翌日朝一番の新幹線チケットに振り返ることが出来ました。
岡山から新横浜までの新幹線は順調で何の問題もなく
予定通りについたことに驚きました。
日本の新幹線の精度のすごさに。
それより新横浜についてからの方がずっと大変でした。
JRを利用して新横浜から町田まで乗車したのですが、
震災の影響の点検で、あまり動かず通常15分ぐらいのところ1時間30分ほどかかりました。
日本中が大変だった震災の2011年3月。
翌月父が亡くなり、新幹線で岡山に駆けつけた時、
父の棺に入れたくて持っていった水仙・ジョンキル。
小さなミニミニ水仙なのですが、香りがとてもよく大好きな花です。
オシャレで香りのするものが大好きだった父に届けたくて
小さな花束にして持っていきました。
そっと棺に入れたことを思い出します。
あの頃は私が仕入れる切り花の市場で切り花として1名の生産者の方が
出荷して下さっていたのですが、2年後ぐらいのちから出荷がなくなっていました。
あまり生産性が良くないので出荷をやめたようでした。
春になるといつも思い出すジョンキル。
あれからずっと目にすることがなかった花。
そんな思い出の花を昨日市場で見つけました。
球根花として違う地方から出荷されていました。
思わず手に取り、なつかしさから我が家に連れ帰りました。
花を見ると思いだす場面・・・
そんな場面がたくさん、たくさん出来ると人生は豊かになるんだなあ
と実感します。
花が連れてきてくれるたくさんの思い出。
今日来店される男性のお客さまは12本の赤いバラにたくさんの想いを
込めてプロポーズされるそう。
赤いバラをみるたびにその方が笑顔になれるようお祈りするばかり!
花がたくさんの幸せを連れてきてくれますように。