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今年1月19日に29周年を迎えた当店。
周年記念フェアを開催するにあたってこの間に花を取り巻く環境も
大きく変わったことを感じずにはいられません。

一つ目は花の品質。

私が花屋を始めたころに比べて市場に入荷する花の品質は格段に上がりました。
一番のポイントは生産者さんの努力と研究です。
またタキイの種などの各育種会社さんなどが自社の農場で研究
を積み重ね、その成果を生産者さんと共に情報を共有していることも大きいと思います。
生産過程はもちろん、花を圃場で切ってから花をいかに良い状態で消費者まで届けるのか、
いろいろな試みが試され改良されました。
花を生産者から市場に出荷される時、29年前は横に寝かせて箱に詰めた状態での
出荷でしたが、今は花の切り口を水につけ縦に立てて出荷する湿式輸送が主流となっています。
また生産者はもちろん、花屋、消費者のもとでも使える
延命剤や水揚げ促進剤などの薬剤も多く開発されました。

二つ目は花の価格。

以前は花の価格はほぼセリで決まっていました。
ですので、べらぼうに高いこともあれば、
無茶苦茶安いこともあるというギャンブル的な要素が多々ありました。
それがIT化も進んだことで、市場でセリが始まる前に前もって
相対取引という方法で価格も安定して取引が行われるようになりました。
これによって生産者さんも市場に出荷してみないといくらになるかわからない
という状態から多少の上下はあるもののある程度安定価格で取引できる安心感が
生まれました。 このことは生産者さんにとってやってみないとわからないといった
リスクを伴う先行投資が緩和され作りたい花を売りたい価格で売れるような状態に
変わってきています。  今は資材、人件費などすべてが価格上昇していますので
花屋にとっては厳しい状態ですが、花の生産があってこそですので
そこはみんなで支えていかなければいけない状況かと思います。

 

三つ目は花の販売方法。

私が始めたころ販売方法は店を始める、人脈を通じて活けこみをする、
教室運営をする、生け花の先生に花材を届ける、提携先の結婚式場、
葬祭場で花を納品するという販売方法が主だったと思います。
それが今ではネット販売という今までとは比べ物にならない
販売方法が出来ました。
そしてSNSを通じての販売も巨大市場になりつつあります。
今では店舗を持たず、ネット販売だけで年間何億という売り上げの
ある花屋もあります。
そしてSNSでの販売が主だという方もたくさんいらっしゃいます。

 

自分は変わっていないつもりでも花を取り巻く環境は日々変化しています。
販売ですので、時代のニーズもとらえないと売り上げを上げることは難しくなります。

この30年の間に当店でもネット販売も始めるようになりました。
これから益々時代の流れは早くなりそうです。
昨今では何でもAI。
AIに指示を仰ぐ日も近いんでしょうか。

どんな時も少し立ち止まって本当にそれでいいのかと
自分自身がしっかりと決断しないといけませんね。

 

 

 

 

 

 

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