今日は重松 清氏の「ビタミンF」という7つの短編集の本を読み終わりました。
20年ほど前に直木賞を受賞した本です。
どこにでもいるような夫婦と子供のいる家庭を舞台にそれぞれの気持ちや
自分の立場などいろいろな思いで過ごす日常。
その中に私たち読者も同じように共感できる部分があって、
やりきれなさや自分ではどうにもならないこともすべてを飲み込んで
生きていくのが人生だなと改めて思わさせてくれる本でした。
「母帰る」という短編集の中で登場人物が話す
「家庭っていうのは、みんながそこから出ていきたい場所なんだよ。
俺はそう思う。みんなが帰りたい場所なんかじゃない。逆だよ。
どこの家でも、家族のみんな、大なり小なりそこから出ていきたがっているんだ。
幸せとか、そういうの関係なくな」
というセリフが印象的でした。
出ていきたい場所っていう風には思ったことはなかったなあ・・・と。
でも自分も学校を卒業した後、実家を出たので
無意識の中の意識にあったのか、それとも大人になるってそういうことと思い込んでいたのか
深く自分にその頃は聞かなかった、いや考えもしなかったと気づきました。
そして、大なり小なり、自分を束縛する部分でもある家庭から自由になりたい
という気持ちがあるのかもしれないなと今日はこの本を読んで思いました。
本の中にある物語に自分自身を投影すると、ほかの人の想いに気付く
大きなきっかけになります。
さて、画像はご注文いただいたアレンジメントの写真の一部です。
発送も承っておりますので、ご相談下さいね。
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