才能・・

先日私が花屋で勤めていた時代に同じ店で働いていた同僚の女性と

久しぶりに話をしました。

彼女は非常に才能が豊かな人で私が一緒に働く前にすでに地元で花屋を経営し

その後自店舗は閉店して勉強のためフランスに1年ほど行って帰国し、また

以前に勤めていた都内の花屋で働き始めたという経歴の持ち主でした。

出会った時、私は花屋で働いた期間は２年ほどでまだまだ経験も浅く

わからないこともたくさんありました。

その点彼女は経験も豊富でセンスが素晴らしくブーケもアレンジも作るものは

みんなステキな物ばかりで、たくさんのことを教えてもらいました。

私が一人で店を始めた時、子供の行事等で店を留守にするときはお店を

お願いしたりしていました。

日本に帰国してから結婚し旦那さんの仕事のサポートをするようになった

ので、花の仕事とは縁がなくなっていました。

非常に才能があったので、私はもったいないなあと思っていたのですが、

彼女自身は花は好きでも店の経営や市場の仕入れは好きでなかったようでした。

３０年以上前の花の市場は非常に閉鎖的で広く女性や若い人に門戸を広げている

感じは全くなかったので私もわかります。

（花のセリで新しい買参人は明らかに無視されたりは結構あり、私も経験しました。

一度あまりにひどいので頭に来て思わず立ち上がって文句を言ったこともあります。）

ずっと花屋を続けていたらそれはそれは素敵な花屋さんになったのにと思いましたが、

それぞれの個人にとって本当の幸せは才能＝幸せではないんだなあと思います。

私は才能に恵まれているわけではありませんが、ずっと続けてこれたのは

花屋をやることが好きだったからです。

好きなことは継続できます。

ですが、どんなに好きでも環境や身体の問題で継続できないこともあるでしょう。

その点では私は周りの理解と応援があり、お客さまに恵まれて感謝しかありません。

人が一生で出来ることはそんなに多くはありません。

私も一生花屋で生きていこうという強い意志を店を始めた時から持っています。

何事も才能より強い意志と粘り強さが一番大切な要素なのです。

そしてそれが何よりの才能になっていくのかもしれません。